【0~4歳におすすめの育児本】本が苦手な人にも紹介したい エビデンス(科学的根拠)に基づく『言葉の発達』に関する本2冊

2021-08-18おすすめ本,育児

こんにちは。こぶたです。
今回は育児に関する書籍のご紹介です。

育児に関する本はたくさん発売されていますが、たくさんありすぎて選ぶのが大変です。
特に、もともと読書が得意でない方にはなおさらハードルが高いと思います。

そこで読書好きな私から苦手な方へ、これだけはぜひ読んでほしい厳選した本をご紹介したいと思います。
興味を持っていただければ嬉しいです。

今回のテーマは『言葉の発達』

子どもが生まれると、母子健康保険法に基づいて乳幼児健診が実施されます。その検診の中で身長・体重の伸びだけでなく、4ヶ月検診や10ヶ月検診では喃語(なんご・あーあーやばばば、だーだーなど赤ちゃんが発する意味のない言葉)の有無を、1歳半検診では簡単な単語の発語の有無など言葉の発達について確認されます。

『言葉が話せないよりは話せるほうが良さそう』という漠然とした印象はあるものの、自信をもって『こういう理由だから言葉の発達が大事です』と言える人は意外と少ないのではないでしょうか。

・なぜ言葉の発達が子どもの成長において大事なのか
・言葉の発達のために親や保育者ができることはあるのか

このような『子どもの言葉の発達』に関する疑問にエビデンス(科学的根拠)を示しながら答えてくれる下記の本2冊をご紹介します。

タイトル発売年おすすめ度
3000万語の格差 赤ちゃんの脳を作る、親と保育者の話しかけ2018年★★★★★読書上級者向け
0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ育児」2001年★★★★★読書初級者

『話しかけ』は、今すぐ無料で始めることができます。
もちろん普通に話しかけていいのですが、どんなタイミングで、どんな内容を話しかければ言葉の発達により効果的なのかを知れば、もっと自信をもって子どもたちに話しかけることができると思います。

1.『3000万語の格差 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』 
  ダナ・サスキンド著、掛札逸美訳/明石書店/2018年出版

まずご紹介するのは『3000万語の格差 赤ちゃんの脳を作る、親と保育者の話しかけ』という本です。
苦手な人に紹介したいと言っておきながら、いきなり"読書上級者向け"と書いてすみません。全部読むとすれば上級者向けですが、読む章を限定すれば初級者でも十分読める内容と量です。

この本は”3000万語”、”格差”などタイトルにとても強烈な言葉が使われており目を引きます。

この本のほとんどは研究結果をベースにして書かれており、しかも翻訳本であるため、他の育児書と比較すると少し堅苦しく、難しく感じる本だと思います。育児書というよりは、研究成果をまとめたレビューに近いのかもしれません。

ですが子どもに対してどのような態度でどのような言葉をかければよいかなどの具体的な方法もしっかり紹介してくれますし、なにより著者から子どもたちへの愛情が感じられ、冷静な文章の中にもあたたかく丁寧な気持ちが織り込まれています。

この本を読むと、なぜ言葉の発達が子どもの成長において重要なのか、言葉の発達のために親や保育者はどんなことができるかといった問いへの答えが書いてあります。

著者 ダナ・サスキンドについて

シカゴ大学医科大学院・小児外科教授。同大学小児人工内耳移植プログラム・ディレクター。3000万語イニシアティブ(Thirty Million Words Initiative)の創設者兼ディレクター。このイニシアティブに先立っては、自身が関わった患者が社会経済的に恵まれない環境にあったとしても、聞き、話す能力を十分に発揮できるようにと創設した Project ASPIRE のディレクターでもある。

ダナ・サスキンド (著), 掛札 逸美 (翻訳), 高山 静子 (解説) /『3000万語の格差 赤ちゃんの脳を作る、親と保育者の話しかけ』/明石書店

著者はアメリカのシカゴで小児人工内耳移植を行う医師です。
人工内耳移植を行う子どもたちは大体2~3歳くらいが多いそうですが、移植を行って聴力が回復した後話し始めるまで、子どもによって大きな差があることに気づいたそうです。

そのことをきっかけに、子どもの頃の言語環境と言葉の発達が大人になってからの「頭の良さ」につながっていく可能性などさまざまなことに話を展開させていきます。

“3000万語の格差"とは

さて、この本のタイトルである"3000万語の格差"の意味について少しご紹介します。

本の中で詳しく説明されていますが、『9ヶ月~3歳までの子どもがいる家庭において、どのくらいの量の会話をしているか、録音して3年間計測するという実験』を行ったそうです。

その結果、3歳までに聞いた単語の数が9~10歳時における言語スキルや学力と相関することが明らかになりました。

特にいわゆる富裕層(専門職グループ)においては1時間に約2000語話していたのに対して、貧困層(生活保護グループ)では1時間に約600語しか話しておらず、その差は3歳までにおよそ3000万語に達します(同じ単語の繰り返しも含んだ語数です)。

つまり富裕層と貧困層それぞれの家庭で育った子どもは、遺伝的な要因ではなく、言語環境に大きな違いがあり、言語環境の豊かさが子どもの脳の成長ひいては大人になってからの頭の良さや経済力格差につながっていると考えられる、というものでした。

0~3歳までの"3000万語の格差"が、将来の学力などに影響してくる可能性があるということは驚きです。

親や保育者ができること

著者はこの言語環境の問題を解決するために、「3000万語イニシアティブ」プログラムを立ち上げます。
このプログラムは3つのTが柱となっています。

3つのT

1.Tune In…子どもが興味を示していることに親が寄っていく姿勢
2.Talk more…子どもの話す言葉を増やして、子どもの語彙力を上げていく
例:『こそあど言葉』を除く:あの絵上手だったね→昨日保育園で書いたウサギがはねてる絵、すごく上手だったね。
3.Take turns…Yes、Noで答えられない会話で、会話のやり取りをする

これらの3つのTを実践していくことによって、より効果的に言語環境を整えていくことができるようになります。
本書の中ではこれら3つのTについてさらに詳しく述べられているほか、どのような言葉で声掛けをするかなど、具体的な行動の仕方にも触れられています。

注意してほしいこと

本文後の解説では日本の子育てや保育における課題が書かれています。保育園の環境に対して問題を提起しているのですが、もし今保育園に預けることに対して少しでもつらい気持ちや後ろめたい気持ちを持っている方がいらっしゃったら、少しきつい表現があるかもしれません。この本は具体的な実験結果を示しながら書かれており説得力があるのでなおさらです。

じつは私も2人の子どもを保育園に預けて働いています。ですがそのことに関して、私に後ろめたい気持ちはありません。なぜなら、私は私の世界を持つことで心に余裕ができ、子どもたちにより優しく接することができていると自覚しているからです。

確かに家事・育児と仕事の両立は簡単ではありません。それでも私にとってはそうする方が"心の余裕"が生まれるのです。

子どもたちにとっては、親がいつも機嫌よくいることが一番いいと信じていますので、子どもたちも元気に保育園で遊んできてもらい、自宅に帰ったら精一杯愛情を注いであげようと思っています。

話は逸れましたが、本の内容のすべてが正しくその通りにしなければいけない、ということではありません
自分が採用できそうなことがあれば採用していけばいいと思います。

読んでほしい章

この本で最も実践的な内容は第5章です。

第5章 3つのT : 脳が十分に発達するための基礎を用意する
パート1 : 科学から実践へ
パート2 : 「3つのT」の実際

ですからまずはこの章を読んでみることをお勧めします。
もし読み切ってまだ余力があれば、

第3章 脳の可塑性 : 脳科学革命の波に乗る
第4章 保護者が話す言葉、そのパワー : 言葉から始めて、人生全体の見通しへ

このあたりにも有効なことが書かれていると思います。

さらに余力があれば、解説 子どもの言葉を育む環境づくり(高山静子)も興味深い内容が書かれています。

2.0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間 「語りかけ」育児
   サリー ウォード (著),  槙 朝子 (訳), 汐見 稔幸 (監修)

さて次にご紹介するのは『0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ育児」』という本です。
発売は2001年と古い本ですから最新の学術研究とはいきませんが、1つ目に紹介した『3000万語の格差』に引けを取らない内容です。

特にこちらの本は、0~1歳までの3ヶ月ごと、1~2歳までのおよそ4ヶ月ごと、2~3歳の半年ごと、そして3~4歳の1年間と、それぞれの月齢に合わせた話しかけ方や、赤ちゃんの聞く力、注意する力の発達度合い、おすすめの遊び、絵本などたくさんのことを紹介してくれます。

まずはどちらか1冊、ということであれば、私はこちらの本をおすすめします。

著者 サリー・ウォードについて

イギリスの言語治療士の第一人者。国営医療サービス事業所で言語障害児を担当する言語治療士のチーフ。言語治療士としての20年間の研究から考えられた、『語りかけ育児』(Baby Talk program)が、乳幼児の心と知能を無理なく伸ばし、コミュニケーション能力を育てる21世紀の新しい知育方法としてイギリスをはじめ世界各国で注目を集める。
2002年6月急逝。

サリー ウォード (著),  槙 朝子 (訳), 汐見 稔幸 (監修)/『0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間語りかけ育児』/小学館

著者はイギリスの言語治療士の女性です。
言語治療士として20年間研究を行い、『語りかけ育児』(Baby Talk program)という新しい知育方法を考え世界各国に紹介しました。残念ながら2002年に亡くなっています。

筆者は「ことば」をこよなく愛し幼児と接していく中で、幼児の「聞く力」と「注意を向ける力」について興味を持ちます。この2つが言語発達にどう関係するのかを研究し、子どもの発達を促す方法、両親がやると効果があがる方法を「語りかけ育児(ベビートーク)」として編み出しました。

語りかけ育児の方法

ウォード氏が提唱する語りかけ育児にはいくつか大切なことがあります。

語りかけ育児で大切なこと

・1日30分間は赤ちゃんとだけいる時間をつくる。その時間は完全に1対1で他者は入れない
・できるだけ部屋を静かにする。
少し高めの声で短く簡単な文章を使う。

このほかにも月齢に合わせて、繰り返しを多く使ったり、赤ちゃんが言った言葉を返したり、さまざまな方法を教えてくれます。

私は1人目の子が生まれたとき、赤ちゃんに慣れておらずはじめはなかなか話しかけられませんでした。
そんな時にこの本を読んで、『こういう話しかけをすればよいのか』と分かったら赤ちゃんに少しずつ話しかけられるようになりました。

はじめての育児で戸惑っている人にこそ、この本を読んでほしいと思います。

読んでほしい章

この本はほとんど全体を通して実践的な内容が書かれています。ですから、それぞれお子さんの月齢や発達の度合いに合わせた章を読んでいただければいいと思います。

私はこの本を電子書籍で持っています。そうしてふとした時に見直して、あー今こういう時期なんだと確認しながら使っています。

まとめ・子どもの言葉の成長のために親ができること

今回ご紹介した2冊の本についてまとめます。

タイトル著者発売年対象年齢読みやすさその他
3000万語の格差アメリカ
小児外科医師
2018年0~3歳が主だが
その後も参考になる
翻訳部分は
少し難しい
比較的新しい本なので新しい情報が得られる。
話しかけの方法は汎用性が高く何歳になっても有効。
語りかけ育児イギリス
言語治療士
2001年0~4歳が主読みやすいかなり読みやすくマンガにもなっている。
おすすめの遊び方や絵本も記載。
発達度合いに合わせた関わりも参考になる。

ご紹介した2冊の本に共通して、子どもの言葉の発達のために親ができることは『とにかくたくさん話しかける』こと、だということが分かります。

その一方で、話しかける内容はどんなものでもいいわけではなく、できるだけネガティブなことは言わない、Yes、Noで答えられない質問をする、など、効果的に言葉の成長を促すために話しかけるコツもあることが分かります。

これから子どもが生まれる人や、今まさに小さい子どもの子育ての真っ最中の方に、ぜひ読んでほしいと思っている本をご紹介しました。

おすすめ本,育児

Posted by kobuta