クローン病夫のプロフィール紹介

2021-08-15クローン病夫との日常クローン病,結婚

こんにちは。こぶたです。
クローン病夫とともに2人の子どもと暮らす働く母です。

私の夫はクローン病という指定難病の一つに罹患しています。
クローン病は炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)の1つです。IBDは大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍(粘膜が欠損すること)をひきおこす原因不明の疾患の総称ですが、代表的な疾患に潰瘍性大腸炎もあります。最近では安倍前首相が罹患していることで有名な疾患です。

潰瘍性大腸炎では病変が大腸に限られるのに対して、クローン病は口から肛門まで、消化管のどこでも炎症や潰瘍が起こる可能性があります。

クローン病については、ぜひこちらを参照してください(難病情報センターのクローン病の項にリンクします)。

このブログには時々夫も登場するので、夫について少し紹介させていただきます。

夫のクローン病罹患歴

夫は17歳(高校2年生)の時にクローン病と診断され、現在クローン病歴17年です。人生の半分をクローン病患者として過ごしていることになります。

私が夫に出会ったのは2012年、夫が25歳の時です。
初めて会ったその日には、私は夫がクローン病患者であることを知っていました。毎食後に薬を飲む必要があるので、誰にも隠したりしていなかったようです。

クローン病患者のほとんどは一生に1回は外科手術が必要になる、と言われてきたようですが、その例に漏れず、夫も私と出会う前の2011年に外科手術を経験していたそうです。("言われてきた"としましたが、近年の治療の進歩によって、将来は手術をする患者さんが減ってくることが期待されています)
増悪して手術になる直前、就職したばかりの夫は『最近調子も悪くならないし、もう治ったんじゃないか』と思って、通院や内服をさぼったり、当直業務を月に何回かこなしていたそうです。その結果クローン病が増悪して入院、絶食、手術。そうして反省した夫は、薬をきちんと飲み無理のない生活を送るようになりました。

現在の夫の治療の状況

注意

クローン病は、症状の個人差が大きい病気です。
内服薬だけの方もいれば、薬物療法と栄養療法を組み合わせないとなかなか良くならない、という方もいらっしゃるかと思います。あくまでも一個人の例と思ってみていただけると幸いです。

2021年7月現在、私の夫は、8週間に1度、かかりつけの病院でレミケード®(クローン病治療薬の点滴の1つです)の投与を受けるために通院し、2か月に1度、大学病院の消化器外科で肛門拡張の処置(外来通院で可能です)を受けています。

それ以外にも、自宅では4~5種類の内服薬を1日3回服用し、3回の食事のうち、昼食はエレンタール®(アミノ酸で構成された成分栄養剤です。たんぱく質を分解したアミノ酸の形にして摂取することで、腸への負担を減らすことができます)に置き換えています。
1年に1度は大腸内視鏡検査や胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)をして、腸の状態を確認しています。

このように書き出してみると、"とても体調が悪そう""大変そう"という印象を受けるかもしれません。
しかし、実際にはごく普通の生活をしています。

こどもと一緒に公園や水族館や動物園、海にも川にも、旅行にも行きます(今は新型コロナ流行のため行けませんが…)。トイレだけはなるべくしっかりしたところが良いようです。
ご飯も、昼食以外は好きなものを食べています。
もちろん調子が悪いときは自制しますが、基本的に、お菓子だって、揚げ物だって、アイスだって食べます。というか好物です。仕事も普通に正社員として働いています。月に1回通院しているだけです。

とはいえ月に1回は通院のために仕事を休みますし、内服薬や点滴の影響でどうしても免疫力が低下して風邪をひきやすく、体調不良でもお休みをいただくことがあります。さらに子どもが生まれてからは子どもの体調不良でも休みます(私も休みますが、私だけでは足りません…)ので、職場の理解は不可欠だと思います。夫の職場には本当に感謝しています。

今は体調の良い時期(寛解状態といいます)なので、特に元気なのかもしれません。しかし近年ではクローン病に対して使用できる薬もどんどん増えてきていて、以前よりもクローン病の症状のコントロールはしやすくなってきているようです。

まとめ

夫がクローン病に罹患してから現在の治療の状況までざっくりと紹介させていただきました。

夫の病気に対する自己管理能力は高い方だと思います。
内服薬の管理から食事の制限、指定難病の医療費助成制度への申請(毎年都道府県または政令指定都市に申請する必要があり、様々な書類の準備が必要です)まで、すべて自分で行っています。
もしもこれを私に求められていたら、正直、私はこなせていた自信はありません。夫が自分でやってくれるからこそ、また、家事育児にもとても前向きだからこそ、今の生活が成り立っていると思います。

というわけで、私は夫や夫の職場、日本の医療制度にもとても感謝しつつ、今の生活に大満足しています(タイトルと関係ないまとめですみません)。