クローン病の彼氏と結婚した話:不安や悩みを具体化できれば解決できる問題が多かった

2021-08-15クローン病夫との日常クローン病,結婚

はじめまして。ご覧いただきありがとうございます。
こぶたと申します。

突然ですが、私の夫はクローン病です。
クローン病をご存じですか?
おそらくこのブログを読んでくださっている方は、自分の彼氏や彼女や婚約者、または友達、家族がクローン病かもしれない、または既にクローン病と診断されている、という方が多いのではないでしょうか。

私も夫と結婚する前は、
“本当にこのまま結婚してもいいのだろうか?"
“結婚したら苦労するのかな?"
“周りに反対されたりどうしよう"
と、色々なことを悶々と悩んだ日々がありました。

結論から言うと、私は全く後悔していませんし、とても楽しく生活しています
結婚する前は"漠然とした不安"だったことが、結婚して向き合ったことで"具体的な不安"になり、“解決できる"ことがほとんどだったからです。
というか、クローン病の人と結婚することは健常な人と結婚することと、ほとんど変わりませんし、結局相手との相性です(ここで読むのをやめたくなるような元も子もないこといってすみません)。

“健康"な人と結婚する前に不安になること

少し具体的に考えてみます。
いわゆる"健康"な人と結婚する前に不安になることはどんなことがあるでしょうか。

例えば、

生活習慣

あまりに家が汚かったり、反対に潔癖症過ぎたりしてもつらいな。

家事・育児

ずっと仕事を続けたいけど、家事は2人でしてくれるかな。子どもができたらかわいがってくれるかな。

お金

金遣いが荒かったり、ギャンブルしたりしないかな。ケチすぎたりしないかな。

相手の両親や親せき

義両親はどんな人たちかな。うまくやっていけるかな。

プライベート

自分の自由な時間やお金がなくなってしまうんじゃないかな。

こんなことが思い浮かぶかもしれません。

クローン病の相手と結婚する前に不安になること

上記に加えて、相手がクローン病だった場合、

病気

病気が悪くなって働けなくなることがあるんじゃないかな。医療費はどのくらいかかるんだろう。

子ども

子どもをもつことは可能なのかな。病気が子どもに遺伝することはないのかな。

食事

食事制限が必要で、食事の準備が大変になるんじゃないかな。

なんてことを考えるかもしれません。
自分は料理がそんなに好きではなかったので、料理については特にそう思いました。

結婚後の生活:夫がクローン病であることによる影響は?

では、実際に結婚した後、前述の不安はどうなったのかをお話しします。

生活習慣

自分よりきれい好きで助かりました←病気関係ない

家事・育児

家事は完全に半々でお互いに空気を読みながらこなせます。こどもの面倒も積極的に見てくれて、病院にも連れていくし、保育園の送迎もしています。←病気関係ない

お金

金銭感覚は似ています。←病気関係ない

相手の両親や親せき

義両親や親せきは付き合いやすい人柄でした。←病気関係ない

プライベート

これは特に夫婦によると思いますが、うちは少なくともこどもが生まれるまでは、お互いかなり好き勝手していました。←病気関係ない

病気

検査入院はしましたが、長期入院には至っておらず、外来通院で治療継続できています。(病状に関しては個人差も大きいので参考にはならないかもしれません)外来通院のために月に1回程度年休はとっていますが、それほど仕事に影響を及ぼしてはいません。
近年クローン病に使用できる薬はどんどん増えてきており、寛解状態(病気が落ち着いている状態)を長期的に維持することも可能になってきています。←症状には個人差もあるが、自己管理できるかどうかも重要

クローン病患者さんでは、働けなくなるリスクはほかの人よりリスクが高いと言わざるを得ません。しかし、クローン病の増悪によって働けない期間は永久ではありませんし、そもそも、働けなくなるリスクは誰しもが抱えているものです。その場合に備えて、私も仕事を続けています。共働きを続けるためには【家事・育児】の体制が最も重要だと思います。←病気あんまり関係ない

毎月固定の医療費はかかりますが、指定難病なので月々の医療費の自己負担額の上限が決まっています。←過度に不安になる必要はない

子ども

クローン病は遺伝病ではありませんが、子どもがクローン病を発症する可能性はあるかもしれません。でも発症しないかもしれません(現在2人の子どもは健康)。こればかりはどうなるかわからないので、心配はしていません。←というか病気はクローン病だけではなく、心配し始めたらきりがない

食事

3食のうち1食(昼食)をエレンタール®という成分栄養剤(アミノ酸で構成される栄養剤。エレンタールを使用することで腸管にかかる負担を軽くすることができる)に置き換えていますが、それ以外の2食は普通の食事を摂っています。また、もし食事の制限が必要になっても、自分で準備できるだけの料理スキルは持っています。←これも自己管理できるかどうかが重要

病気に関係のある部分だけを抜粋すると、

夫との生活で"クローン病"と関連する項目

【お金】
 毎月の医療費は上限が決まっている
 医療保険・生命保険→引受基準緩和型の保険なら加入できる可能性がある(条件によります)

【病気】
個人差の大きい病気なので一概には言えないが、少なくとも外来通院、内服薬の継続ができるかなど、本人の自己管理能力が重要

【食事】
本人の自己管理能力が重要(特に食事を子どもに我慢させることは難しいので、周りで誰かが食べていてもイライラしたりしないか等)

まとめ

結局のところ、『クローン病患者本人』による自己管理と、2人の性格の相性によって決まると思うのです。
それって普通の結婚と何も違いません。

もし結婚した時点でどちらも健康だったとしても、結婚した後に病気になる可能性などいくらでもあります。"健康"な人と結婚したつもりでも、実はただ検査していないだけで病気があるかもしれないのです。

そんな先のこと誰にも分からないし、病気になったらその時に対応していくしかありません。
その点、結婚している時点で相手はクローン病だということはわかっているわけですから、なるべく無理はしませんし、私の夫はお酒も飲みませんし煙草も吸いません。大腸検査や胃カメラは1~2年に1回くらいはしていますから、消化管の悪性疾患の早期発見も期待できます。

ちなみに余談ですが、結婚前はまったく知らなかったし考えたこともなかった問題があります。それは家の購入に際して住宅ローンを組む場合、一般的に"団体信用生命保険(略して団信)"に加入する必要があるということです。クローン病だけでなく持病のある人にとって、生命保険や医療保険など、保険の加入は少しハードルが高い問題です。私たちも5年前に家を購入しましたが、その時のお話はまた別の記事に書いていますので、ご興味があればご覧ください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

結論

クローン病だとかそうじゃないとか、それはあんまり重要じゃない。クローン病気によって起こりうるリスクにはその都度対処したり、あらかじめ備えておけば大丈夫。重要なのは、相手の性格、考え方、そして2人の相性だと思います。(結局なんの参考にもならないのでは…)